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腎盂尿管がん

腎盂尿管がんとは?

腎盂尿管がんが発症する場所

腎盂尿管がんが発症する場所は、いわゆる上部尿路です。
腎臓で作られた尿は、その後、腎臓の中にある腎盂という部分に集まります。のち、腎盂から出た尿は尿管を通り膀胱へ。排尿行為を通じ、膀胱にたまった尿は尿道を通って体外へと排出されます。
これら一連の流れで登場する腎盂・尿管・膀胱・尿道の4つの組織のうち、腎盂と尿管を上部尿路と言い、膀胱と尿道を下部尿路と言います。すなわち、上部尿路で発生するがんが腎盂尿管がんとなります。

腎盂尿管がんの症状

腎盂尿管がんの典型的な症状が、血尿です。検査をせずとも目で見てはっきりと分かる「肉眼的血尿」が、腎盂尿管がんの患者にもっとも多く現れる症状です。
ほか、腰背部の痛みや側腹部の痛みを自覚することもありますが、これらの痛みは血塊や腫瘍が原因。血塊・腫瘍が尿路を閉塞させることにより、尿路の上流に尿がたまって痛みが生じる、という状況です。いわゆる水腎症と呼ばれる症状でもあります。

腎盂尿管がんの発症率・患者数など

泌尿器科領域で見られる各種がんの中では、腎盂尿管がんは、比較的まれながん。よく聞く膀胱がんと比較すると、腎盂尿管がんの発症率は1/10~1/20程度と言われています。
また、女性の発症を1とした場合、男性の発症は2~4と男性のほうが高め。年齢的には50~70代に好発します。
なお腎盂尿管がんと診断された患者のうち約10~20%は、診断時、すでにリンパ節やハイ、腎臓、骨などに転移が見られます。

腎盂尿管がん関連疾病

尿路結石に腎盂尿管がんが合併していることがあります。
尿路結石とは、腎臓から尿道の間に生じる結石のこと。多くの場合は無症状ですが、もし結石が尿路に詰まってしまうと、突如として激しい痛みが生じます。痛みに加え、吐き気や嘔吐、血尿などの症状が見られることもあります。

腎盂尿管がんの危険因子

腎盂尿管がんの危険因子となる外的要因として、もっとも強く指摘されているのが喫煙習慣です。喫煙習慣のある人はない人に比べ、腎盂尿管がんに罹患する可能性が3倍になるとの指摘があります。
ほかにも、鎮痛剤成分フェナチセンの長期服用(現在日本では流通していません)、芳香族アミン類などの化学物質、石油、木炭、アスファルト、タールなどへの長期接触が、腎盂尿管がんの危険因子として指摘されています。
内的要因としては、尿路結石などによる上部尿路の慢性的な炎症が、腎盂尿管がんの危険因子として知られています。

腎盂尿管がんの傾向を改善するには

腎盂尿管がんを予防・改善するためには、第一にタバコを吸わないことが大事です。喫煙習慣のある人は、禁煙外来やニコチンパッチなどを利用し、禁煙するように心掛けましょう。
また、腎盂尿管がんと尿路結石が合併している例も見られることから、尿路結石を予防するための日常生活を送ることも大事。具体的には、野菜や海藻類を積極的に摂取し、かつ適度な運動をして肥満傾向の解消を目指しましょう。十分な水分を摂ることや、塩分・糖分の過剰摂取を控えることなども大切です。
なお腎盂尿管がんの治療は、症状や患者の状態、転移の有無等に応じ、手術療法、化学療法、放射線療法、保存療法など、さまざまな選択肢から検討されます。

還元酵素と腎盂尿管癌の関係性

人が呼吸する時、同時に活性酸素と呼ばれる物質が生成されています。活性酸素はウィルスから細胞を守る良い役割を果たすものですが、過剰に増えると炎症を招き、老化を早め、がんの進行にも影響を与えるなど、様々な悪影響を及ぼす厄介者です。

過剰に増えた活性酸素の悪さを食い止めてくれるのが、活性酸素を分解する「還元酵素」。私たちの体内にもともと備わっている還元酵素のおかげで、健康体を維持できているのです。

しかし、還元酵素にも種類があり、中には悪さをするものも存在します。たとえば「二型還元酵素」は腎盂尿管癌の原因になるといわれています。詳しいことは明らかになっていないものの、二型還元酵素は悪玉男性ホルモンのジヒドロテストステロンを生成し、それが盂尿管癌盂尿管癌の発症に関与しているようです。

仮にがん細胞が発生しても、体内のがん免疫細胞ががん細胞の増殖を抑えてくれるため、通常の免疫状態であれば腎盂尿管がんになることはありません。

しかし冷えなどにより代謝が落ちるとがん免疫細胞がうまく機能せず、がんの増殖の勢いに負けてしまうことがあります。

発がん物質解毒酵素と食べ物の関係性

野菜や果物にはカロテン、ビタミン、鉄分などさまざまな栄養素が含まれています。 実はこうした成分が、活性酸素を無毒化したり、発がん物質解毒酵素を活性化する働きを持つと考えられいているのです。

科学的根拠は今のところ立証されていませんが、大根などの「非でんぷん野菜」は、口腔・咽頭・喉頭のがん発生リスクを、果物はこれらに加え肺がんのリスクを下げる可能性が大きいことが報告されています。

国際がん研究機関のワーキンググループでも、がんを含む病気の予防の観点から、野菜・果物を多くと摂ることは推奨されると発表しています。このことから、野菜や果物を積極的に摂取することはがん予防にある程度の効果が期待できると言えそうです。

参考:日本赤十字社 伊勢赤十字病院|尿路上皮癌