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副腎がんの原因と予防法

副腎がんとは?

副腎がんが発症する場所

副腎がんとは、腎臓の頭側にある副腎という臓器に発症する悪性腫瘍のこと。副腎とは、体内環境を安定的に保つための「恒常性維持」に関連するホルモンを分泌している臓器です。
組織学の視点から見ると、副腎は副腎皮質と副腎髄質に分かれます。これらのうち、副腎皮質に生じるがんが「副腎皮質がん」。副腎髄質に生じるがんには「悪性褐色細胞腫」「神経芽腫」「神経節芽腫」などがあります。

副腎がんの症状

他の多くのがんと同様、副腎がんの初期には、特に自覚症状がありません。がんが進行して腫瘍が大きくなってくるにともない、患者により腹痛や便秘、腹部膨満感、吐き気、発熱、食欲不振、体重減少などの症状が現れることがあります。また、がんの影響で副腎ホルモンが過剰に分泌された場合、糖尿病や高血圧、肥満、筋力低下などの症状が現れることもあります。
初期症状がほとんどない以上、自覚症状が現れた段階では、腫瘍が5cmほどまで大きくなっていることが大半です。

副腎がんの発症率・患者数など

数あるがんの中でも、副腎がんは非常にまれな種類のがん。100万人あたりの罹患率は2名で、国内における新たな罹患者数は年間で390名ほどです。
なお、女性における副腎がんの罹患率は男性の約1.5~3倍と高め。また、10前後に好発する例と40~50歳ごろに好発する例の、いわゆる「二峰性」が認められています。

副腎がん関連疾病

副腎がんのうち「副腎皮質がん」については、以下の3つの遺伝性疾患が関与していると考えられています。

リ・フラウメニ症候群

「p53」という腫瘍抑制遺伝子の変異が原因で生じる一連の症状。多発性がんの遺伝的要素として知られています。同症候群に罹患している患者は、副腎がん、乳がん、脳腫瘍などの様々ながんを発症するリスクを持ちます。

ベックウィズ・ヴィーデマン症候群

特に新生児において過剰な成長を見せることで知られる病気。低血糖、巨舌症、内臓腫大など、さまざまな症状が見られます。罹患者は副腎がんなどの発症のリスクが高くなると言われています。

カーニー複合

異なる遺伝子の突然変異が原因で生じる病気。皮膚に斑点が現れたり、内分泌腺(副腎を含む)や心臓などに腫瘍が現れたりします。

副腎がんの危険因子

副腎がんの危険因子を知るためには、その前提として副腎がんの原因を特定しなければなりません。ところが副腎がんは、様々ながんの中でも特に謎に包まれた病気。国内のがん研究の先端を行く「がん研有明病院」ですら、その原因について「まれながんであり、よくわかっていません」とコメントしています。今後の研究の進展が待たれます。
なお、副腎皮質がんの原因については、上記の通り、遺伝的な要素が示唆されています。

副腎がんの傾向を改善するには

副腎がんの原因が不明である以上、具体的な予防法も不明です。早期発見された場合には完治を目指すことができる病気なので、健康診断や人間ドックは欠かさずに受けましょう。
治療法は手術、または薬物療法です。副腎がん自体は手術でしか治療できませんが、手術に耐えられない健康状態であったり、または他の部位への転移が認められたリした場合には、抗がん剤を使用した薬物療法が選択されることがあります。
なお、手術後の放射線照射の効果については、専門家の間でも意見が分かれています。

還元酵素と副腎がんの関係性

体内にある「活性酸素」という物質は、細菌などを攻撃して私たちの体を守ってくれています。しかし、何らかの理由で活性酸素が過剰に増えると、健康な細胞を攻撃するようになり、老化が早まったり、がんの進行にも影響を与えたりします。このとき、過剰に増えすぎた活性酸素を分解してくれるのが「還元酵素」です。還元酵素もまた、私たちの体内に存在します。

ひとくちに還元酵素と言ってもたくさんの種類があり、中には身体に良くない影響を与える還元酵素も存在します。そのひとつが「HMG-CoA還元酵素」です。副腎がんはがんのなかでも、早期発見が困難ながんですが、あらゆるがん細胞はコレステロール等を餌に増殖します。HMG-CoA還元酵素は血中のコレステロール値を上げる作用があるため、間接的にがんの進行を促進してしまう可能性があるわけです。

とはいえ、体内には「がん免疫細胞」が存在するため、通常であればがん細胞が発生しても副腎がんを罹患することはないでしょう。ただし、代謝が落ちるとがん免疫細胞の働きも弱まり、がんの増殖の勢いに負けてしまうことがあります。

発がん物質解毒酵素と食べ物の関係性

実は近年の研究で、がんの発生を抑制する働きをもつ食べ物があることが判明しています。野菜や果物にはカロテン、ビタミン、葉酸、などの栄養素が含まれていますが、こうした成分は発がん物質解毒酵素を活性化したり、活性酸素を無毒化する働きを持つと考えられいているのです。

現在のところ科学的根拠は立証されていませんが、果物は肺・口腔・咽頭・喉頭におけるがん発生のリスクを、トマトなどの「非でんぷん野菜」は、口腔・咽頭・喉頭のがん発生リスクを下げる可能性が大きいと報告されています。

国際がん研究機関のワーキンググループでも、がんを含む病気の予防の観点から、野菜・果物を多くと摂ることは推奨される旨を発表していて、野菜や果物を積極的に摂取することはがん予防にある程度の効果をもたらすといえるでしょう。

島根大学医学部付属病院泌尿器科|副腎がん