血液から健康体を目指す。わかなつみの発酵菌研究所 » わかなつみの発酵菌に期待できる効果・研究エビデンスまとめ » がんの予防法・酵素の効果と研究結果 » 肺がんの原因・症状・予防方法

肺がんの原因・症状・予防方法

肺がんの原因

肺がんとは、気管支または肺胞の細胞ががん化した症状を指します。肺がんが進行すると、がん細胞が組織を次々と破壊しながら増殖していき、血液・リンパ液に乗って広がります。

肺がんの直接の原因は明確になっていませんが、体質や免疫力の低下、喫煙とも関連が高いと言われています。

国立研究開発法人・国立がんセンターの研究によれば、タバコを吸わない人に比べて吸う人は男性で4.5倍、女性で4.2倍肺がんになりやすいということがわかっています。

また、タバコを吸わなくても周囲に流れるタバコの煙吸いこむこと(受動喫煙)が肺がんのリスクを高めることもわかっています。

研究で得られたデータを元にすると、肺がんにかかった人のうち男性は68%、女性で18%がタバコを吸わないことで肺がんにならなかった可能性も示唆されています。

参照:国立研究開発法人 国立がんセンター 社会と健康研究センター「たばこと肺がんとの関係について」

喫煙以外では、以下の原因が関わっているとも考えられています。

  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 職業的曝露(アスベスト、ラドン、ヒ素、クロロメチルエーテル、クロム酸、ニッケルなどの有害化学物質にさらされる仕事)
  • 大気汚染(特に粒径2.5ミクロン以下の微小浮遊粒子[PM2.5]が浮遊している環境にいる方)
  • 肺がんの既往歴や家族歴
  • 年齢など

上記の原因が複合的に関わっていたり、病後や加齢によって免疫力が低下したりすると、がんを発症しやすくなるため注意が必要です。

肺がんの検査内容

肺がんを調べるためには以下の順に検査を行います。

  • 胸部X線検査
  • 喀痰細胞診(かくたんさいぼうしん)
  • 血液検査

まず健康診断の段階で上記の検査を経て肺の異常を見極め、異常があると認められた場合には「鑑別診断」として詳細な検査を行います。

  • CT検査

鑑別診断の結果、肺がんの疑いがあるとわかった場合は、「確定診断」として以下の検査を行います。

  • 気管支鏡検査
  • 経皮針生検
  • 胸腔鏡検査

確定診断により、肺がんの発生箇所が特定できます。上記の他にも、がんの広がりや転移の有無を調べるために、以下の検査を併用することがあります。

  • X線検査
  • CT検査
  • MRI検査
  • 超音波検査/エコー検査
  • PET-CT検査
  • 骨シンチグラフィ
  • 遺伝子検査

治療が始まってからも、治療の効果を調べるために上記の検査を重ねる場合があります。

肺がんの治療方法

肺がんの治療は、がんの進行の状態や罹患時点での健康状態、既往症の有無などから検討します。

進行状況は「病期(ステージ)」という呼び名で分類され、以下の3つの治療を中心に進めます。

  • 手術治療
  • 放射線治療
  • 薬物治療

肺がんは組織型の違いによって「非小細胞肺がん」と「小細胞肺がん」に分けられ、非小細胞肺がんの場合は手術治療を行います。

手術治療は開胸手術が一般的でしたが、近年では、10cm以下の切開で、体の負担がより少ない開胸手術が行われるようになっています。

全身の状態や年齢などをみて手術が難しいと判断されたときは、放射線治療を行います。放射線治療は高エネルギーのX線を体の外から照射してがん細胞を死滅させる治療です。

非小細胞肺がんは、ある程度進行した状態の場合は薬物治療を中心に治療を進めます。小細胞肺がんは早期発見が難しいため、薬物治療が中心に行われます。

肺がんの予防方法

日本人を対象とした研究結果では、肺がん予防には以下の方法が有効とされています。

  • 禁煙
  • 飲酒量の節制
  • バランスのとれた食事
  • 身体活動
  • 適正体型
  • 感染予防

肺がんの予防で最も大切なのは禁煙です。禁煙を始めてから10年が経過すると、肺がんにかかるリスクが喫煙者の約半分にまで落ち込むとされており、脳卒中や心筋梗塞などさまざまな病気のリスクも抑えられます。

近年ではPM2.5が待機中を飛散していることから、直接多量に吸い込まない工夫も重要です。市販のマスクでガードしながら、自宅などの室内でも顔や手を洗い、衣類を着替えるようにしましょう。

その他の予防方法としては、早期発見・早期治療のために以下の検査を受けましょう。

  • 胸部X線検査
  • 喀痰細胞診
  • CT検査

胸部X線検査は40歳を超えたら年に1回の割合で、50歳以上で喫煙習慣がある方は年に1回喀痰細胞診を受けるようにしましょう。

肺がんの症状

肺がんは早期の段階ではほぼ症状がありません。進行とともに咳や痰が出て、血の混じった痰や発熱、呼吸困難、胸の痛みが表れます。

免疫反応による影響で起こる「腫瘍随伴症候群(しゅようずいはんしょうこうぐん)」も肺がんの代表的な症状で、肺がんの患者さんの約20%に発生すると言われています。具体的な症状としては肥満・食欲不振・神経症状・ムーンフェイスなどが挙げられます。

ただしすべての症状が肺がんに直結しているとは限らないため、複数の検査を受ける必要があります。症状が複数にのぼる、または長引くといった場合には早期に医療機関を受診してください。

還元酵素と肺がんの関係性

体内で生成される「活性酸素」という酵素は、体を守る働きを担う傍ら、過剰に増えると健康な細胞を攻撃する性質をもっています。そして、過剰に増えた活性酸素は、体内にある「還元酵素」が分解してくれるため、私たちは健康を保持できています。

私たちが生きていくうえで欠かせない「還元酵素」ですが、ときには悪さをする還元酵素も存在します。

肺がんは呼吸困難などを伴う、日本でも死者数が多いがんです。肺がん細胞の生存に「アルドケト還元酵素」が大きく関与していることが判っています。

仮にがん細胞が発生しても体内の「がん免疫細胞」が互いに連携しながらがん細胞を攻撃してくれるため、多くの場合がんが発症することはありません。

しかし代謝が落ちるとがん免疫細胞の働きも弱まり、連携がうまくいかなくなって、がんの増殖の勢いに負けてしまうことがあります。

発がん物質解毒酵素と食べ物の関係性

近年、がんの進行を抑える可能性がある食べ物があると判明しています。野菜や果物にはカロテン、ビタミン、葉酸、などの栄養素が含まれていますが、こうした成分は発がん物質解毒酵素を活性化したり、活性酸素を無毒化したりする働きを持つと考えられているのです。

科学的根拠は立証されていないものの、トマトなどの「非でんぷん野菜」は、口腔・咽頭・喉頭のがん発生リスクを、果物は肺・口腔・咽頭・喉頭におけるがん発生のリスクを下げる可能性が大きいと報告されています。

国際がん研究機関のワーキンググループもがんを含む病気の予防の観点から、野菜・果物を多く摂取することを推奨していることから、野菜や果物を積極的に食べることは、がん予防において少なからぬ意味をなすと言えるでしょう。

参考:非小細胞肺がんのシスプラチン耐性化などを抑制するAKR1B10阻害剤を開発-富山大ら|Q-life J-STORE(~USE OF HMG-CoA REDUCTASE INHIBITOR FOR TREATING CISPLATIN-RESISTANT CANCERS KOHNO KIMITOSHI ~)