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アミラーゼ

アミラーゼ(炭水化物分解酵素)とは?

アミラーゼとは、三大栄養素の1つである炭水化物を分解・吸収するために必要な酵素です。ジアスターゼとよばれることもあります。膵臓や唾液腺で作り出され、炭水化物の主成分であるデンプンやグリコーゲンを体内に吸収しやすい形に分解。体や脳を動かすエネルギーを作り出すサポートをしています。

炭水化物がアミラーゼ(炭水化物分解酵素)に分解される仕組み

炭水化物が主成分であるごはんやパンなどを摂取すると、まずは口腔内で細かく咀嚼(そしゃく)される際に唾液腺から分泌されるアミラーゼによって最初の分解が行われます。その後胃を通過し十二指腸あたりで膵臓から分泌されたアミラーゼによって二回目の分解が行われると、体内に吸収されやすい糖に変換され、消化吸収を経て体や脳を動かすエネルギーになります。

筋トレとアミラーゼ(炭水化物分解酵素)の相性は?

炭水化物は主に体を動かすエネルギーになる栄養素のため、筋トレやスポーツをする際に欠かせないものです。炭水化物がエネルギーとして利用できる形になるには、アミラーゼの力が不可欠。アミラーゼが不足しているとどんなに炭水化物を摂取しても分解することができず、エネルギー産生効率が下がってしまいます。エネルギーにできなかった炭水化物は脂肪として蓄積されてしまうので、筋トレの効率も下がってしまうという場合も…。しっかりと体を動かして効率よく筋トレをするためには、炭水化物と合わせて十分な量のアミラーゼ摂取が大切といえます。

アミラーゼ(炭水化物分解酵素)を多く含む食べ物は?

アミラーゼを多く含む代表的な食べ物としては、大根・キャベツ・山芋・かぶ・バナナ・ショウガ・キウイフルーツ・パプリカ・梨などが挙げられます。

昔から、大根おろしを食べると胃がもたれないと言われていますが、これは単なる言い伝えではなく、大根に含まれるアミラーゼが炭水化物の分解・吸収を促すことで胃もたれを防いでおり、科学的に証明されている仕組みなのです。

アミラーゼ(炭水化物分解酵素)の弱点は「加熱調理」

アミラーゼはほかの酵素と同様、加熱調理に弱いという特性があります。これは、酵素自体がたんぱく質でできているためです。たんぱく質は種類にもよりますが、60℃前後から徐々に構造が変化していくものが多いとされています。構造が変わると酵素本来のはたらきを失ってしまうため、どんなに量を補ってもムダになってしまうのです。そのため、アミラーゼを多く含む食べ物を調理する場合には、加熱し過ぎないように注意しましょう。

アミラーゼ(炭水化物分解酵素)を効率よく補う方法

アミラーゼはたんぱく質から構成されているため、加熱し過ぎてしまうと酵素としてのはたらきを失ってしまいます。アミラーゼのはたらきを失わずに酵素をムダなく摂り入れるには、生食がおすすめです。

生食の中でも、すりおろしたりみじん切りにしたり、食材の細胞を壊すようにすると酵素が活性化しやすいのでより効率的に摂取できます。手軽にできるスムージーなどもよいでしょう。

また、調理する時間がない、毎日作るのは大変という場合には、サプリメントを利用するのも1つの方法です。毎日の規則正しい食生活を基本として、食事だけでは不足しがちな酵素を補うためのサポートとして取り入れるとよいでしょう。ドラッグストアやオンラインストアには様々な酵素系サプリメントが販売されていますが、酵素を効率的に摂取したいのであれば、非加熱処理の酵素サプリメントを選ぶことをおすすめします。

アミラーゼをはじめとして、酵素は一度にたくさん摂って溜めるということはできませんので、毎日適量の補給を続けることがポイントです。無理のない方法で効率よく酵素を摂取していきましょう。