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骨粗しょう症とは、骨密度が低下して、健康的な人よりも骨の構造がスカスカしている状態を指します。
骨密度は骨の強度を表すもの。骨の中にどのくらいのカルシウムが含まれているかを測定して判定します。
骨粗しょう症が悪化すると簡単に骨折してしまいます。ひどい人は、くしゃみをしただけで骨が折れてしまうケースもあるため、侮ってはいけません。
骨粗しょう症は男性よりも女性がかかりやすい病気です。日本にはおよそ1000万人以上の患者がいると予測されています。
女性の方は、女性ホルモンが減少する閉経後にとくに注意してください。閉経により新陳代謝のバランスが崩れ、骨吸収だけが盛んになって、骨形成が追いつかなくなってしまうためです。
骨粗しょう症は自覚症状が現れにくいため、対策が難しいとされています。「最近腰が曲がってきたな」「背が縮んだと指摘される」など、小さなサインを見逃さないようにしましょう。
病気が進行していくと、背中や腰が痛みだして思うように動けなくなります。比較的症状が現れやすいと言われている部位は、太ももの付け根や手首、背骨です。違和感を感じたらすぐに医療機関を受診しましょう。
骨粗しょう症にならないためには、普段の生活を見直して、新陳代謝のバランスを保つ努力が必要です。例えば仕事帰りに一駅分を歩いたり、エレベーターをやめて階段を使ったり、小さなことから始めてみてください。日常の掃除や洗濯なども、運動不足の解消につながります。
また、骨密度を低下させないために、食事にも気を使いましょう。カルシウムやビタミンD、ビタミンKが豊富に含まれる以下の食べ物を積極的に摂取して下さい。
スナック菓子やアルコールなどは出来るだけ控えた食生活を送るのがおすすめです。
骨粗しょう症を予防するには、普段の生活習慣を見直したうえで、定期的に検査を受けることが大切です。検査の結果、骨密度の低下が指摘された場合は、医師の診断を受け治療を始めましょう。
女性の骨粗しょう症は閉経後に多いといわれています。40歳を過ぎたら定期的に検査を受けるようにしましょう。閉経後は、毎年の検査が推奨されています。
高柳広教授が率いる、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子情報伝達学の研究グループは、免疫細胞で重要な役割を果たしている酵素(BtkとTec)が、骨を吸収する「破骨細胞」を作る必須酵素であることを発見しました。
今後、BtkとTecの働きを抑える酵素阻害薬を用いることで、骨粗しょう症の新たな治療薬が開発できることが期待されています。
BtkとTecはB細胞による抗体作りに欠かせない酵素です。これらのはたらきで抗体がつくられ、免疫機能は成り立っていると言っても過言ではありません。
しかし、骨吸収を担う破骨細胞作りに必要な酵素でもあるため、骨粗しょう症患者にとっては症状を悪化させる可能性があるのです。
このように、「酵素=良い」という安直な捉え方ではなく、体質や生活習慣、罹患している病気などによって、同じ酵素でももたらす働きが変わってくることを覚えておきましょう。