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肝細胞がんの原因と予防法

肝細胞がんの原因

肝臓は腹部の右上方に位置し、成人だと0.8〜1.2㎏と体内の臓器の中でも最大です。そんな肝臓にできるがんのことを肝臓がんと呼びます。肝臓がんは肝臓そのものが原発になっているものと、他の臓器から転移したものに分類され、原発性の肝臓がんの中でも肝細胞がんが90%の割合を占めるようです。もちろん稀に原発性のがんでも肝内胆管がんなどもあります。治療法が異なるため、肝細胞がんと肝内胆管がんはキチンと区別されています。 日本において肝細胞がんの原因はC型肝炎ウイルスが最も多く、全体の70%弱も占めています。B型肝炎ウイルスなど肝炎ウイルスが原因となり発生する肝細胞がんは90%の割合にも及ぶでしょう。そのため肝炎ウイルスに感染している可能性がある方は、定期的に検診を受け、早期発見に努めるようにしましょう。

また原因に関係なく、肝細胞がんを患うほとんどのケースで慢性の肝障害があると言われています。慢性の肝障害を引き起こすのは、肝炎ウイルスやアルコールの過剰摂取、脂肪肝などが原因です。

肝細胞がんの検査内容

超音波検査

エコー検査とも言われる検査で、体の表面から器具をあて超音波によって臓器の様子を観察する検査です。がんの大きさや数、血管の位置、広がり、肝臓の形・状態、腹水の有無などをチェックします。しかし、がんが発生している位置次第で検査が困難なケースや、皮下脂肪が厚いケースなどでは十分に検査が実施できないこともあるため注意しましょう。その場合には造影超音波検査を行うことがあり、造影剤を注射し詳細に状態を確認します。

CT検査、MRI検査

肝細胞がんの場合には造影剤を用いたCT検査を実施するのが一般的です。詳しい検査を行うために、造影剤を注射し、数回に分け間隔をあけて撮影するようなケースもあります。一方MRI検査は単一でも実施しますが、必要に応じてCT検査と併用して行うケースや、造影剤を用いたケースもあるようです。

腫瘍マーカー検査

肝細胞がんの場合、AFP(アルファ・フェトプロテイン)やPIVKA-II(ピブカ・ツー)、AFP-L3分画(AFPレクチン分画)の腫瘍マーカーが保険適用となります。しかし肝細胞がんが起こっていても腫瘍マーカーが陰性のことも。肝炎や肝硬変など肝細胞がんではないにも関わらず陽性と判断されることもあるため画像診断も併用し実施されるのが基本的です。

肝細胞がんの治療方法

手術

肝細胞がんにおいて最も基本的な治療法であり、肝切除術と肝移植の2つがあります。 肝切除術は、がんが転移しておらず、がんの数が3個以内のケースで肝切除術が選択されることが多いようです。ただし黄疸や腹水がある、検査の数値が悪いなど肝機能の状態が悪化しているときには内科的な治療が実施されます。肝臓自体は2/3程度切除しても機能できると言われています。

一方、肝移植は肝臓をすべて除去し、ドナーから提供された肝臓を移植する手術です。おもに末期の状態に対して適応となりますが、手術が行える医療機関は限定されてしまいます。

抗がん剤

肝細胞がんにおいて、全身化学療法と肝動脈化学塞栓療法、肝動注化学療法の3つの化学療法があります。

全身化学療法

全身化学療法は、肝臓の中でがんが多発しているケースや、肝臓の外まで転移しているケースが対象です。抗がん剤は何種類もありますが、経口薬のソラフェニブ(ネクサバールR)が延命に効果的とされ標準治療となっています。

肝動脈化学塞栓療法、肝動注化学療法

この2つの方法の特徴として、一度に多くのがんに対して治療が可能です。がんの数が多く、他の治療が難しいというケースに適応されます。また肝臓の機能が悪化しているときには、塞栓剤を用いない肝動注化学療法が選択されるでしょう。

  • 穿刺局所療法
  • 放射線療法
  • 免疫療法
  • 陽子線治療
  • 重粒子線治療

他にも上記のような治療が症状に応じて選択されます。

肝細胞がんの予防方法

肝細胞がんを予防の基本は、アルコールの摂取量を制限とC型肝炎ウイルスに対する感染予防です。日本において肝細胞がんの原因のほとんどがC型肝炎ウイルスの感染によるものなので、近親者など親しい人が感染しているときにはキチンと対処法を行いましょう。

アルコールの摂取量を制限

アルコールを摂取すれば、分解などのために肝臓は余計な負担がかかってしまいます。そのためアルコールを長期間過剰に摂取し続ければ、徐々に肝臓の機能が衰えてしまい肝硬変などの肝臓の疾患にかかる恐れがあるでしょう。衰えた肝臓を修復させるために、細胞分裂が活性化され、細胞のがん化を促してしまいます。

そのためアルコールの摂取量を制限し、過剰摂取を控えるようにしてください。

C型感染ウイルスの感染予防

C型肝炎ウイルスの感染力は、決して強いという訳ではありません。血液を介する、性交渉などによって感染し、C型肝炎ウイルスが広まると言われています。C型肝炎に対する適切な知識を持ち、感染経路をキチンと把握することが重要です。

性交渉における感染は、コンドームを適正に使用することで感染を防止することが可能です。血液感染はピアスや針の使いまわしなどが主な感染源とされており、とくに海外での治療や刺青を入れる場合には注意しましょう。

またB型肝炎ウイルスが原因となってしまう肝細胞がんもあるため、しっかり正しい知識を身に付けるようにしましょう。これらの疾患に対する特効薬自体はないので、ウイルスに感染しないようにしてください。

肝細胞がんの症状

肝臓は沈黙の臓器とも言われるほど目立った症状はないため、自分自身が初期の段階で気が付くことはほとんどないでしょう。

初期の段階ではだるさや発熱などの風邪様症状が現れてきますが、徐々に体が慣れてしまい異常な症状も薄れていくでしょう。肝細胞がんが進行すると、腹部のしこりや圧迫感、痛みなどの症状が起こることもありますが、すべての方に起こる訳ではありません。 そのため、検査の結果によって肝細胞がんが発見されることが多いでしょう。健康診断などの結果で肝機能の異常、肝炎ウイルスの感染などに疑いがある場合には、早期に医療機関を受診してくださいね。

またC型肝炎ウイルスが原因によって起こる慢性肝炎が、肝硬変に移行した場合、肝細胞がんが引き起きる経過が最も多いとされています。そのため慢性肝炎によって起きた黄疸やアンモニア血症特有の症状に少しでも気が付いたら、医療機関で治療を受けるようにしましょう。

還元酵素と肝細胞がんの関係性

体内では活性酸素という酵素が常に生成されています。活性酸素は微量であれば身体にとって好ましい働きをするのですが、増えすぎると健康な細胞を攻撃し、老化を早め、がんの進行にも影響を与えるなどの悪さをします。けれども体内には、活性酸素を分解してくれる「還元酵素」が存在するため、私たちは健康を保持できるわけです。

しかし、中には身体に良くない影響を与える還元酵素も存在します。がん細胞は増殖の過程でコレステロールを必要としますが、「HMG-CoA還元酵素」はコレステロールの生成を助けるのです。肝細胞がんは肝臓の大部分を占める「肝細胞」にできるがんで、特にHMG-CoA還元酵素との相関関係が強いと言われています。HMG-CoA還元酵素の働きを抑えるスタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)は肝臓がん治療薬として用いられているほど。

とはいえ体内にはいくつもの「がん免疫細胞」が存在し、互いに協力しあってがん細胞を攻撃するため、たとえがん細胞が発生しても、多くの場合がんを罹患することはありません。ただ、代謝が落ちるとがん免疫細胞の働きも弱まり、がんの増殖の勢いに負けてしまうことがあります。

発がん物質解毒酵素と食べ物の関係性

食べ物にも、がんの発生を抑える可能性をもつ栄養素が含まれています。野菜や果物に含まれるカロテン、ビタミン、葉酸などです。これらの成分は、活性酸素を無毒化したり、発がん物質解毒酵素を活性化したりすることが判ってきています。

現在はまだ科学的根拠は立証されていません。しかし、果物は肺・口腔・咽頭・喉頭におけるがん発生リスクを抑え、トマトなどの「非でんぷん野菜」は口腔・咽頭・喉頭のがん発生リスクを下げる可能性が大きいと報告されています。

また、国際がん研究機関のワーキンググループも、がんを含む病気の予防の観点から野菜・果物を多くと摂ることを推奨しています。野菜や果物を積極的に摂取することは、がん予防において好ましい影響があると言えそうです。

参考:日本消化器病学会雑誌第109巻第4号『肝発癌と代謝異常』【PDF】

参考:海外がん医療情報リファレンス|スタチンと癌予防 Q&A