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酵素の種類とは

デンプン分解酵素

緑色の植物が太陽のエネルギーを使用して生合成する多糖類で、緑色植物のみならず微生物や動物を含めた地球上の多くの生物のエネルギー源となっている物質がデンプンです。そのため、これらの生物はデンプンを分解する酵素を持っており、分解したグルコースを細胞内に取り込むことによって活用する作用があります。

デンプン分解酵素にはα-アミラーゼ、β-アミラーゼ、プルラナーゼがあり、ダイコンやヤマイモにも多く含まれています。

  • α-アミラーゼ α-アミラーゼには耐熱性の高いものが多いため工業的に広く生産されており、デンプン糖化工業に活用されているようです。
  • β-アミラーゼ α-アミラーゼとともに古い歴史をもったアミラーゼで、麦芽やダイズ,サツマイモなど植物由来の酵素が詳しく研究されています。
  • プルラナーゼ プルラナーゼはKlebsiella などの微生物から発見され、比較的至適温度の高い酵素が工業的に生産される特徴があります。デンプンからのグルコースやマルトースの生産に、グルコアミラーゼやβ-アミラーゼとともに使用されています。

糖質関連酵素

糖質関連酵素とは、グリコシドの結合に作用している酵素の総称です。デンプンやセルロースなどの多糖に作用するアミラーゼやセルロースなどの酵素以外にも、高等生物の細胞表面にある複雑な糖鎖に作用しているものも含みます。

たとえばデンプン、乳糖、蔗糖などの安価な食べることが可能な糖質に作用する酵素は、新しく食品の素材を生産するときに応用することが可能です。さらにセルロースやヘミセルロースなどの酵素は、植物細胞壁に作用しており、食べることができない糖質で、バイオ燃料などに変換する機能を持っています。

つまり糖質関連酵素の種類は非常に多く、加水分解酵素ファミリーに限定しても、これまでに約130種類余りの酵素が発見されています。ラクターゼやβ-フラクトフラノシダーゼなどの酵素があり、乳糖をグルコースとガラクトースに分解し、砂糖をブドウ糖と果糖に分解することが可能です。

夏目漱石のデビュー作である「吾輩は猫である」の中でも糖質関連酵素は登場しています。吾輩が住みついた家の主の苦沙弥先生がと消化剤を服用しているシーンの「タカジヤスターゼ」は酵素のひとつです。

タンパク質関連酵素

タンパク質を分解する酵素はプロテアーゼ、ペプチドを分解する酵素はペプチダーゼと呼ばれています。プロテアーゼの種類は非常に多く、ほとんどの微生物はプロテアーゼを生産しているため、生産量が多いものや特徴のある性質があるものが厳選され有効に活用されているようです。

たとえば麹カビは清酒や醤油の醸造に活用されており、高いプロテアーゼ活性を持った性質があります。そのほかにもBacillus licheniformis, B. amyloliquefaciens などの細菌類や放線菌類も活性が高い点が特徴的です。植物由来の酵素としてパパイヤの実に含まれるパパイン、パイナップルに含まれるブロメラインがメジャーでしょう。さらに動物由来の酵素なら胃液のペプシン、膵臓で分泌されるトリプシン、キモトリププシンが有名です。

プロテアーゼは基本的にはタンパク質のペプチド結合を加水分解し、ペプチドあるいはアミノ酸を生成する反応があります。

食品の製造や加工分野において、動物および植物タンパク質を原料としている調味料の製造や食肉の軟化剤、カゼインを原料としているチーズの製造などがあります。医薬品の分野においては消化剤や抗炎症・去痰剤などに利用されるなど幅広い分野に活用されています。

脂質関連酵素

脂質分解酵素として最も知られているのが、グリセロールエステルを分解し、脂肪酸を遊離するリパーゼとグリセロリン脂質、スフィンゴリン脂質などのリン脂質を分解するホスホリパーゼでしょう。

ホスホリパーゼを大別すると、アシルハイドロラーゼとホスポジエステラーゼに分類されます。アシルハイドロラーゼはホスホリパーゼA2、A1、B、リゾホスホリパーゼ、PAFに特異的に作用。脱アセチル化するPAF― アセチルハイドロラーゼなどが属しています。ホスホリパ― ゼC、Dは、ホスポジエステラーゼに属しているのが特徴的です。

セルラーゼ

セルラーゼとは、セルロースをブドウ糖が複数繋がった形のオリゴ糖に分解する酵素のことです。ウシやウマなどの草食動物や、シロアリは腸内細菌にセルラーゼを持っており、それを利用してセルロースを分解しています。

セルロースとは多く存在しており、再生利用が可能な有機化合物でグルコース、いわゆるブドウ糖の重合体です。

人間の体内にはセルラーゼは存在していません。人間の場合にはデンプンを摂取し、それをアミラーゼによってブドウ糖に分解することによってエネルギー源としています。つまり紙を食べたからと言って栄養に変えることはできないでしょう。